α99IIで使うミノルタ大三元レンズ実写レビュー(その3:80-200mm F2.8G編)
α99II(ソニーデジタル一眼カメラ)で使うミノルタ大三元レンズの3回目は、ハイスピードAFアポテレズーム80-200mm F2.8Gについてレポートします。
初代の黒鏡筒が1987年発売で、この白鏡筒のハイスピードは1993年の発売ですが、光学系は変わっていません。
つまり、このレンズの光学系は30年前の設計ということになります。
30年も前の光学系ですが、α99IIでの実写や使用感はどうでしょうか?
また、せっかくなのでソニー70-300mm F4.5-5.6 G SSM IIとも画質を比較したいと思います。
ミノルタ ハイスピードAFアポテレズーム80-200mm F2.8G スペック
まずは、基本スペックから。
参考として、現行のソニー純正レンズとも比較してみたいと思います。
ミノルタ 80-200mm F2.8G |
ソニー 70-200mm F2.8 G SSM II |
|
レンズ構成 | 13群16枚 | 16群19枚 |
最短撮影距離 | 1.8m | 1.2m |
最大撮影倍率 | 0.13倍 | 0.21倍 |
フィルター径 | 72mm | 77mm |
大きさ | 最大径φ88.5mm、全長166.5mm | 最大径φ87mm、全長196.5mm |
重さ | 1280g(三脚座付) | 1340g(三脚座別) |
発売 | 1993年3月 | 2013年11月 |
設計が古い分、最短撮影距離が1.8mと長く、寄れませんね。
また、三脚座は取り外しできず、純正テレコン装着不可です。
ソニー現行の70-200mm F2.8 G SSM IIは、ミノルタAF APO TELE ZOOM 70-200mm F2.8 G(D) SSM(2003年発売)を継いだものになります。
大きさは、ミノルタ80-200mmの方がわずかに軽く、全長も3cm短いですね。
実写テスト
実写は、α99IIで、ISO200、絞り優先オート(Aモード)、JPEG(FINE)にて撮影したものです。
フォーカスは、AFで中央固定で合わせています。
広角端(80mm)、望遠端(200mm)で、F2.8(開放)、F5.6、F11における中央部の画像について、Adobe Lightroomで等倍表示にしたものを掲載します。
広角端(80mm)
まずは、広角端(80mm)について、全体表示では↑のような画像になります。
F2.8(開放)、F5.6、F11における中央部をそれぞれ等倍表示にしてみます。
広角端(80mm)の中央部
広角端(80mm)における中央部の描写は、開放F2.8からしっかり解像していますね。
正直、想像以上でした。
開放から十分使えます!
望遠端(200mm)
次に、望遠端(200mm)について、全体表示は↑のような画像になります。
同様に、F2.8(開放)、F5.6、F11における中央部をそれぞれ等倍表示にしてみます。
望遠端(200mm)の中央部
望遠端(200mm)における中央部の描写は、80mmのときとは異なり、開放F2.8では収差が目立つ結果となりました。
ただ、ピントが合った木の葉は解像しているのがわかります。
F5.6では、収差は見られず、全く問題のない描写ですね。
ミノルタ80-200mmF2.8G VS ソニー70-300mm F4.5-5.6 G SSM II
全くクラスの異なるレンズですが、せっかくなので、私が普段よく使用しているソニー70-300mm F4.5-5.6 G SSM II(2014年発売)とも比較してみました。
条件は焦点距離200mmで、F5.6、F8、F11でそれぞれ中央部を見たいと思います。
ソニー70-300mmにとってはF5.6は開放になります。
まずは、拡大前の画像は↑のような感じです。
同じ200mmですが、ソニー70-300mmの方が少し焦点距離が長くなっています。
また同じ時に撮影していますが、色の傾向も少し異なっていますね。
それでは、中央部を拡大してみましょう。
200mmの中央部
F5.6では、ミノルタの方がよく解像していますね。
ミノルタ80-200mmの絞りは開放から2段絞った状態で、一方のソニー70-300mmの絞りは開放ですから、ミノルタの方が有利と言えます。
また、F8、F11はわずかな差ですが、ミノルタの方が解像しています。
色収差
中央部は、ミノルタの方が解像していることがわかりましたが、色収差はどうでしょうか?
画像左上の建物の屋根を拡大してみました。
ミノルタにははっきりと色収差が出ていますが、ソニーには全く色収差は見られませんね。
30年前のフィルム時代のレンズと最新のレンズでは、このような差があるということですね。
(ソニーはカメラ内でも補正処理されています。)
作例
ミノルタ80-200mmは、最近は子どもの撮影に使うことが多いので、作例は昔の写真からも探してみました。
※Adobe Lightroomで補正しています。
使用感とまとめ
光学系は30年前の設計とは言え、解像力は今も十分使えるレンズです。
焦点距離80mmでは開放からしっかり写りますが、200mmでは開放で収差が目立ちます。
私は、絞りを開けて撮るときは、F3.5~F4くらいにすることが多いですね。
私がよく使うシーンは、風景はもちろん子供のスナップ、発表会などの室内撮影などでしょうか。
このクラスのレンズは、使いやすい焦点距離と大きさ(ちょっと重いけど)で、様々なシチュエーションで活躍しますよ。
そして何よりF2.8という開放F値ですね。
背景をぼかしたり、点光源で玉ボケをつくったり、F値が暗い一般的なズームレンズよりずっと表現の幅が広がります。
また、同じF値でもヌケがよく引き締まった描写が可能です。
ミノルタ80-200mmのAF速度は、α77IIの登場で劇的に速くなったように感じます。
「あれ、こんなに速かったの?」と秘められていたポテンシャルが開花したような感じです。
もちろんα99IIでも、その速さを実感することができます。
ただ、動体の追従は最新のSSMに分がありますので、私はソニー70-300mmと使い分けています。
(例えば屋外の運動会は、焦点距離も長いソニー70-300mmですね)
色収差は、やはり古いレンズということもあり、条件によっては結構目立ちますね。
現行のレンズは、レンズの設計だけでなく、カメラ内でも補正が行われますので、余計に差が出るところです。
他の古いレンズもそうですが、今はPC上である程度補正できますので、私はあまり気になりません。
オススメ! Lightroomのフリンジ軽減で色収差(パープルフリンジ)を簡単に消してみよう
さて、α99II用にこのクラスのレンズを選ぶとしたら、中古のミノルタ80-200mmか、ソニー現行の70-200mmか、どうでしょうか?
ミノルタ80-200mmの画質は、昔から定評があり、動体撮影時のAFや色収差、最短撮影距離にこだわらなければミノルタの選択もありですね。
もちろん予算が許せばミノルタを継ぐソニー70-200mmを選びたいところですが、う~ん高過ぎ。
価格差を考えると、やはりミノルタ80-200mmの状態の良い中古を探すのがおススメです!
【追記】
ミノルタ80-200mmとソニー70-200mmを実写で比較して、改めて評価してみました。関連記事【実写レビュー】α99IIのおすすめ望遠ズームは?”ミノルタ80-200mm F2.8G vs ソニー70-200mm F2.8 G SSM II”(その1:比較編)
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