【名護博物館】2016年秋アカハラダカ・サシバ渡り調査反省会・情報交換会に行ってきました
本日は名護博物館で開催された2016年秋のアカハラダカ・サシバ渡り調査反省会・情報交換会に参加してきましたので、ご報告いたします。
今日も博物館ネタです☆
アカハラダカ、サシバとは?
皆さんはアカハラダカやサシバはご存知ですか?
いずれもワシやタカの猛禽類(もうきんるい)という鳥の仲間です。
アカハラダカは小型のタカの仲間で、朝鮮半島と中国大陸(南西部)で繁殖し、冬は東南アジアに渡り越冬します。
毎年9月中旬から10月中旬頃、朝鮮半島のものが東南アジアに渡る途中、沖縄を通過するんですね。
一方、サシバは大型のタカの仲間で、中国北部、朝鮮半島、日本で繁殖し、やはり冬は東南アジアなどに渡ります。
毎年9月下旬頃から、日本本土のものが沖縄に渡ってきて、一部はそのまま沖縄で越冬します。
サシバは沖縄の代表的な冬鳥の一つで、名護の市街地でも見かけることがあります。
沖縄では、夏が過ぎると大陸からの季節風(北風)が吹き始め、その風を方言で「ミーニシ」(ミー:新しい、ニシ:北)と言います。サシバはこの季節風とともにやって来る鳥であり、サシバの飛来は秋の訪れを告げる風物詩になっています。
ちなみに、昔は沖縄ではサシバは捕まえて子どもの遊び道具になり、その後は自然の恵みとして食されていたそうです。
アカハラダカ・サシバの渡り調査
さて、名護博物館では、このアカハラダカとサシバの渡りのカウント調査を市内の嘉津宇岳と名護岳で毎年行っており、今年で9年目になるそうです。
今年の調査結果の報告会がこの「渡り調査反省会・情報交換会」ということですね。
今年の秋は、アカハラダカ、サシバとも調査開始以来、過去最高の数が確認されたそうです。
最も多かった日は、アカハラダカが10/5に嘉津宇岳と名護岳合わせて5,232羽、サシバが10/16に同じく1,508羽の記録ということで、すごい数ですね~。
ただ、今年の渡りの数が多かったからと言って、これらの鳥が増えてきていると言えるわけではなく、増減というのは10年単位のスパンで長期的に見ないとわかりません。
タカの渡りは天候の影響を受けやすいので、今年は台風が少なかったことが渡りの数の多さに影響している可能性もあります。
タカの渡りは、渡りの時期になると各地で見られるので、観察会などが行われたり、ニュースで取り上げられたりもしますね。
名護博物館でも嘉津宇岳展望台で観察会を行っていますよ。
渡りは天気の良い日の朝に多く見られます。
日の出後、暖められた地面から発生した上昇気流に乗って鷹柱をつくり、空高く上ったのちグライダーのように滑空して移動していくのです。
サシバの場合、飛行速度は時速40kmで、一日で沖縄本島から八重山まで飛ぶことができるそうです。
嘉津宇岳、名護岳とも山頂まで行くには徒歩になりますが、少し手前の展望台までは市街地からすぐに車で行くことができます。
身近なところで簡単にこのような生き物と出会え、自然の偉大さを感じられるのですから、もっと多くの方に知ってもらい、実際に見てもらいたいですね。