沖縄市立郷土博物館企画展 沖縄市の自然 やんばるの入り口

昨日の風樹館に続き、沖縄市立郷土博物館の企画展をご紹介します。
「沖縄市の自然 やんばるの入り口」とありますが、沖縄市の自然がやんばる?と思われる方も多いでしょう。
ところが、沖縄市にもやんばるがあったんですね、「嶽山原(たきやんばる)」と呼ばれるところです。


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やんばるの森といえば、現在は国頭村、大宜味村、東村の北部3村に広がる亜熱帯の森を指すことが多いと思います。
嶽山原は沖縄市北端にある森ですが、実はカラスヤンマやリュウキュウハグロトンボなど、やんばると共通する生き物が数多く見られる場所です。

今回の展示にある地質の解説を見ると、「名護層」と呼ばれる地質が、本島北端の国頭村からちょうど嶽山原まで分布することがわかります。地質から見ると、この嶽山原までがやんばるであり、まさに「やんばるの入り口」だったのですね。

沖縄市立郷土博物館企画展 沖縄市の自然 やんばるの入り口

 

沖縄科学技術大学院大学(OIST)による昆虫調査の展示もありました。
特にアリ類の研究に力を入れており、「沖縄のアリ類」の解説を読むと、沖縄県では現在日本全体のおよそ半分にあたる146種のアリが確認されており、そのうち沖縄本島では113種を数え、これは日本全体の約3分の1に相当するそうです。
「普段は気にかけない足元のアリでさえ、沖縄の豊かな自然を象徴しているのです。」との言葉が印象的でした。

マイナーな生物のグループの場合、ある地域に研究熱心な分類学者がいると、その方の研究によりその地域で見つかる種数が他よりも多くなることがあります。種数はあくまで参考と考えます。
ただ、沖縄のアリは本当に多い、というのは生活していても実感します。さすが亜熱帯で、死骸などはアリによってすぐに分解され、自然のサイクルがとにかく早いという感じです。油断すると家の中にもたくさんアリが入ってきますしね(もちろんシロアリではありませんよ)。

また、3Dプリンターによるアリの模型を初めて見ました。
小さなアリの乾燥標本でも、CTスキャンによる3D画像からこのような模型がつくれるのですね。

沖縄市立郷土博物館企画展 沖縄市の自然 やんばるの入り口

 

さて、展示には「プリティバタフライ」という小学生によるチョウの研究成果が展示されていました。
眞榮城綾香さんという方の作品で、その内容がすごい!の一言。
模造紙の内容から本当にチョウをよく観察していることがわかりますし、小学生でよくここまで調べたものだと感心しきりでした。
特に、チョウの生態の模型はもう本当にびっくり!
手芸用品などを使って、食草や幼虫、蛹、成虫をつくり、チョウの幼虫を狩って麻酔をかけ卵を産み付けてそれを幼虫のエサにするクロスジスズバチと、さらにそこに寄生するため卵を産み付けるヤドリニクバエまでつくるなんて、ほんと恐れ入りました、という感じです。
きっと、本人の興味関心を先生や親御さんもサポートして、才能を存分に引き出してあげられたのだと思うと、私の娘(幼稚園生)にも、これから親として全力でサポートしてあげたい、と強く感じました。

沖縄市立郷土博物館企画展 沖縄市の自然 やんばるの入り口

展示には第二会場があり、こちらは主に標本による生き物の展示です。昆虫標本もたくさんありました。

はい、今回の企画展ですが、「やんばるの入り口」ということで個人的にはもっとやんばると共通する希少な動植物の解説や、嶽山原の歴史、価値、保全などの展示が見たかったというのが率直なところです。
カラスヤンマが飛ぶ森が沖縄市にある、この森をずーと後世に残すのが沖縄市の役目ですよね。
(OISTの昆虫調査の展示は、今回の企画展ではなく、独立させたものでも良いのではないかな?)

 

企画展の開催は、12/25(日)まで。
開館時間は9:00~17:00で、月曜・祝日は休館。入館料は無料です。
関連イベントも行われており、12/10(土)に野外講座「雑草調べて世界地図」が行われる予定です。
展示を見るだけでなく、現場に実際に行くことで興味や理解が深まりますので、こういった関連イベントも要チェックですね。

企画展の詳細はこちらをご覧ください→第41回企画展「沖縄市の自然 やんばるの入り口」

アクセスはこちら↓


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