【琉球大学資料館・風樹館】企画展「琉球の両生・爬虫類―風樹館のコレクション」が開催中!
琉球大学構内にある風樹館という資料館はご存知ですか?
11/26(土)から「琉球の両生・爬虫類―風樹館のコレクション」という企画展が開催されており、展示品のほとんどが初公開ということで、早速行って来ました!
もともと小さな資料館の、さらにその一角での展示。
企画展といっても上の写真のような感じです(^_^;)
すでに絶滅してしまった琉球列島産のカメ類(アマミヤマガメ、オオヤマリクガメ)の化石。
オオヤマリクガメは、最大甲長50㎝とされるリクガメで、1万年ほど前までは琉球にもこのような大型リクガメが歩いていました。
また、本島南部から出土するやんばるのカエルたちの骨。
ほんの数万年前は、南部まで今のやんばるのような森が広がっていたのでしょうか?
そして、与論島で近世以降のものと思われる遺構から見つかったトカゲモドキ類の骨。
トカゲモドキ類というのは原始的なヤモリの仲間で、国内では奄美や沖縄諸島にオビトカゲモドキ、クロイワトカゲモドキなどが生息しています。
与論島には現在トカゲモドキの仲間は見られませんが、つい最近まで生息していたということになります。
今回見つかった骨から、ヨロントカゲモドキという新種(クロイワトカゲモドキの新亜種)として、2014年に発表されました。
このヨロントカゲモドキは、人間によって絶滅させられた可能性が高い爬虫類として、国内で初めての例となるそうです。
原因は、外来種のイタチによる捕食などが指摘されていますが、よくわかっていません。
奄美や沖縄の島々には、1950年代から70年代にネズミ駆除ために本土からニホンイタチを移入していた時代がありました(与論島には1953年10頭、1957年200頭の導入記録があります)。
座間味島や宮古島など、そのまま定着して今も生息している島では、イタチによる両生類や爬虫類の捕食など生態系への影響が懸念されています。
奄美・沖縄諸島には、トカゲモドキの仲間が見られる島とそうでない島があります。
もしかすると、このような調査によって他の島でも同じような事例が今後見つかるかもしれません。
いや、私たちは現在進行形でどこかの島のトカゲモドキを絶滅に追いやっているのではないか、ヨロントカゲモドキは現代社会にそんな警鐘を鳴らしているのではないでしょうか?
風樹館は小さな資料館と言え、常設展示にも貴重な標本が数多く、隣にビオトープもあって一見の価値ありですよ!
おすすめスポットとして、改めてレポートしたいと思います。
今回の企画展は12/22(木)までの開催です。
開館時間は月曜~金曜の10:00~16:00で、入館・観覧料は無料です。
両生類・爬虫類がお好きな方もそうでない方も、ぜひご覧ください!
アクセスはこちら→ 琉球大学資料館・風樹館