台風襲来!沖縄に倣って会社も学校もみんな休もうよ
沖縄に住み始めて驚いたことの一つに、台風時の対応があります。
そう、台風が来たら公共交通機関は止まり、会社も学校も休みになるのが普通のことであること。
そして島民にとってはそれも日常であること。
これは沖縄がもともと台風の通り道に位置し、台風の被害を受けて暮らしてきた歴史と文化が導いた一つの答えなのでしょう。
イベント開催日に台風が接近しそうなときは、何日も前に中止や延期が決まります。例え予報が外れて台風が来なかったとしても誰も文句など言いません。
最近では、本土にも猛烈な台風が頻繁に襲来し大きな被害をもたらしています。
都市部では交通機関が麻痺し毎回混乱が生じていますが、これまでの常識が通用しなくなってきているわけですから、台風や大雨への対応も社会全体で認識を改めていく必要があるのではないでしょうか?
そのうえで台風県である沖縄からはいろいろと学ぶべき点があると思います。
今回は、台風時の沖縄の対応を紹介します。
基準は暴風警報
まず、対応が必要な台風の基準となるのが気象庁(沖縄気象台)が発表する暴風警報です。
暴風警報は、沖縄本島地方では平均風速25m/s以上のときに発表されるもので、台風の暴風域の強さとも言えます。
そのため、台風の暴風域の接近に伴い発表され、暴風域を抜けると解除されます。
沖縄では、暴風警報の発表を基準として様々な対応がなされていきます。
公共交通機関が止まり会社は休業
暴風警報が出されるのに合わせて公共交通機関のモノレールとバスが運休となります。
交通機関が限られている沖縄では、モノレールとバスが止まると通勤ができなくなるため、会社は休みとなります。
実際は多くの人は車通勤ですが、車の運転も大変危険ですからね。
そして暴風警報の解除に合わせて安全が確認され次第運行が再開されます。
そのため、そもそも計画運休なんて言葉はありません。台風の進路や被害なんて計画的にわかるものではありませんから。
学校や幼稚園、保育園はもちろん休み
暴風警報が出るような状況では通学は無理ですね。
当然、学校や幼稚園、保育園などはお休みです。
琉球大学の例
具体的に暴風警報が発表された際の対応について、琉大を例に見てみましょう。
琉球大学暴風警報及び気象等に関する特別警報発表に伴う授業及び期末試験の取扱いに関する申合せ
記載にあるように、授業は休講となります。
解除された場合の授業再開についても、細かく規定されていますね。
経済活動も大事だが
もちろんこのような沖縄の例をそのまま本土に適用することは難しいでしょう。
会社もみんな休みになったら経済活動が実質ストップし、企業も大きな損失となります。
しかし、昨今の災害の甚大さからもわかるように、もうそんなことも言っていられないほど事態は深刻になってきているのではないでしょうか?
社会全体で意識の改革を!
「他の会社が仕事しているのに、台風だからと言ってうちの会社だけ休むわけにはいかないよ!」
その通りですね。
でも、これって「有休取りたいけど、みんな仕事しているから取りにくいなあ」と同じでしょ、なんて言うと経営者の方から怒られそうですが、台風や大雨の災害に関しては命に関わる恐れがあることを考えれば答えはわかると思います。
だから、沖縄はみんな休むのが普通のことなんです。
自然とともに生き、台風の恐ろしさを誰よりも知っているから。
「台風来たから電車もバスも動かないよ、会社も学校もみんな休みだよ」という意識を社会全体がもち、一人一人が当然のこととして認識できるよう変わっていくべきではないでしょうか?
まとめ
最近、沖縄も変わってきたと感じることがあります。
2018年7月の台風7号は夜間に暴風域が通過し、翌午前には抜ける予報でした。
朝の段階ではまだ暴風警報が出ていましたが、モノレールやバスはすでに運行を再開していたのです。
暴風警報中でも会社は朝から出勤となり、沖縄も経済活動を優先するようになった気がして驚いたのを覚えています。
もしこの日が平日ではなく週末だったらモノレールやバスは止まっていたのではないでしょうか?
経済とのバランスも考えると沖縄もこうした動きは避けられないのかもしれませんが、沖縄も本土も日本全体で防災に対する意識をいま一度真剣に考え直すべきと思います。