初心者のための一眼デジカメ【その3:レンズ編】

初心者のための一眼デジカメ【その3:レンズ編】

「初心者のための一眼デジカメ」の3回目はレンズ編です。

一眼デジカメの特徴はレンズ交換ができること。
それぞれのレンズの特性を知り、活かすことが上達への一歩です。

ということで、今回はまずはレンズの基礎知識を解説したいと思います。

レンズ表記からわかること 焦点距離と開放F値

一般に、レンズには次のような表記があります。

(例:ソニーミラーレス用レンズ)

E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS

E:Eマウント(ソニーのAPS-Cのミラーレス用)
PZ:パワー(電動)ズーム
16-50㎜:焦点距離
F3.5-5.6:開放F値
OSS:レンズ内手ブレ補正

を意味します。

ここで重要なのが焦点距離開放F値(F値とは絞りの値)です。

焦点距離は、例でいうと16㎜が広角側、50㎜が望遠側にズームした時の値です。
(広角・望遠については後ほど説明します)
もし焦点距離が16㎜とだけ書かれていたら、それはズームしないレンズ(単焦点レンズと言います)ということです。

また、開放F値とは、これ以上絞りを開けることができない(一番明るい)数値のことです。
例でF3.5とあるのは、広角側16㎜のときの開放値で、F5.6は望遠側50㎜のときの開放値となります。

レンズの開放F値が小さいレンズほど絞りを開けられることになります。
つまり、それだけ背景をぼかしたり、明るさを稼ぐことができるということですね。
しかし、開放F値を小さく(明るく)するには、レンズの口径を大きくする必要があり、その分レンズが大型化して価格も高額になります。

 

レンズ焦点距離の意味 写る大きさと画角の関係

ところで、この焦点距離とは何を意味するのでしょうか?

正確な定義は別にして、撮影においては、

被写体の写る大きさを意味する数字

と解釈してください。

焦点距離と被写体の写る大きさは比例関係で、焦点距離の短いレンズでは被写体も小さく写ります。
小さく写るのでより多くの範囲のものが写り、画角も広くなります(広角)。
反対に、焦点距離が長ければ被写体が大きく写り、画角は狭くなるということですね(望遠)。

つまり、焦点距離によって写る範囲、すなわち画角が決まるということです。

 

レンズ焦点距離と画角変化

実際に焦点距離と画角の変化を見てみましょう。
広角から望遠まで、その違いがよくわかると思います。

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28mm

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50mm

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80mm

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200mm

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300mm

 

主な焦点距離と画角による変化は下のように分類されます(目安です)。

分類 超広角 広角 標準 中望遠 望遠
焦点距離
(mm)
24 28 35 50 85 100 200 300

50mmというのは、フィルム時代から、35mm判フィルムの対角線とほぼ同じ焦点距離で標準的な画角ということで標準レンズと呼ばれます。
人の目の画角に近いと言われ、50mmを基準(標準)として、それより短いと広角、長いと望遠に分類されます。

ちなみに、ズームレンズでは、50mm前後のズーム(例28-70mm)は標準ズーム、100mm前後のズーム(例70-200mm)は望遠ズームと呼ばれます。

 

撮像素子とレンズ焦点距離の関係

フィルム時代は、35mm判(36×24mm)での撮影が一般的でしたが、デジタルになるとフィルムに代わる撮像素子(イメージセンサー)が様々な大きさになりました。
それによって同じ画角でも焦点距離が変わることになり、従来の焦点距離と画角の関係も変わってしまったのです。

これでは不便なので、撮像素子の大きさが変わっても従来の画角との関係がわかるよう、35mm判で撮影した時の焦点距離に換算して言い表しています。

撮像素子の大きさの比較

撮像素子の大きさの比較
一番小さい1/2.3型はコンデジやスマホで使われるもの

例えば、先の例の16-50mmは、APS-Cという大きさの撮像素子で使われるときの数字です。
APS-Cは35mm判に比べて小さく、対角線を×1.5倍すると35mm判とほぼ同じ対角線の長さになります。
そのため、35mm判に換算するには×1.5倍して計算するのです。

つまり、16-50mmのレンズは35mm換算で(×1.5倍すると)24-75mm相当のレンズということになりますね。
これは標準ズームに分類されるものです。

同様に、フォーサーズ用のレンズは、撮像素子がAPS-Cよりさらに小さく×2倍することで35mm判換算となります。

 

レンズ選択は35mm換算で!

ということで、レンズの焦点距離と画角の関係は、カメラの撮像素子の大きさによって変わってきますので、レンズを選択する際は必ず35mm換算で考えるようにしましょう。

例えば、APS-Cのカメラ用に50mmの標準レンズを付けると、35mm換算では×1.5倍の75mm相当の画角になりますので、標準ではなく中望遠クラスになります。
もし50mmの画角の標準レンズが欲しければ、焦点距離35mm(35×1.5=約50)のレンズを選ぶということですね。

 

まとめ

レンズの焦点距離は被写体の写る大きさ、つまり画角を表す数字です。

画角は、写真撮影において構図を決定する大変重要な要素ですが、焦点距離と画角の関係は、いろいろなレンズで撮影を経験することで、感覚として身についてくるものです。

ズームレンズを使う際にも、焦点距離と画角の関係を意識しながら撮影するよう心掛けてみてください。

また、もう一つ重要なのが、レンズの開放F値(絞り)です。
開放F値が小さい方がその分背景をぼかすことができ、表現の幅が広がります。

絞りとボケについては、次回以降で詳しく解説していきたいと思います。

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