α99IIを思う存分使いこなせ!(その10:1ヶ月使用レビューまとめ編)

α99IIを思う存分使いこなせ!(その10:1ヶ月使用レビューまとめ編)

α99II(ソニーデジタル一眼カメラ)を使い始めて約1ヶ月が経ちました。
まだそれほど使い込んではいませんが、これまでの使用感についてまとめてみたいと思います。

ファインダー(EVF)

電子ビューファインダーもこのレベルになれば、実用性という点ではもう光学ファインダーには戻れないですね。
MFも問題なくでき、従来のようなタイムラグや連射時のパラパラ漫画(コマ送り)のような違和感もほとんどないと思います。
初期のα55から比べると隔世の感があります。

ただ、不満な点もあります。
クリアで大変見やすいのですが、実際よりも明るく若干彩度が高めに感じることがあります。
また、原因は不明ですが、シャッター半押し中に、ファインダー像が部分的にぎらつくことがあります。
これ、被写体によって、ひどいときはホント気になるんです。
特に、スマートテレコンバーターやAPS-Cモードのときは、ファインダー内も拡大されるため、ぎらつきが目立つようになります。
77IIのファインダーには見られなかったので、なぜ99IIで出るのか、?です。

MFに関しては、ピーキングという便利な機能がありますが、マクロ撮影など厳密にピントを合わせたいときはかえって邪魔になるのでオフにしています。
ピーキングがなくても、このEVFなら問題なくMFが可能ということですね。
私は、ピーキングは状況に応じてすぐにオン/オフできるようにFnメニューに設定しています。

マクロ撮影や室内など光学ファインダーでは暗くなって見えにくくなる状況でも、EVFなら明るさを保ってくれます。
露出やWBも反映してくれます。
ファインダーをのぞいたまま画像のチェックもできます。
もう光学ファインダーには戻れません。

でも、唯一足りないもの、それは「感動」。
Aマウントユーザーだからこそ知っているα900のファインダーを初めてのぞいた時の、忘れられないあの「感動」。
趣味の世界ですから、実用性を優先するか、感動を優先するか、好みで良いと思いますが、ユーザーが選択できるよう至高の光学ファインダーを残してほしかった、というのも本音です。
(利益優先が企業ですからね。でも、α99IIがバカ売れしてAマウントが再び注目されて、α900IIなんて出ないかな~。)

シャッター

レリーズストロークは半押しが少し浅めになっていますが、私は気になるほどではありません。
気になる方は、ソニーのレリーズストローク カスタマイズサービスで調整が可能です(7,000円+税)。
しかも、縦位置グリップ「VG-C77AM」と組み合わせて調整できます。

シャッター音は、77IIが電子音的だったのに対して、99IIは軽快な機械音的な感じ。
どちらが良いかは好みですね。
私は、スナップのような単射は99II、連射は77IIが好み、かな?

手ブレ補正

5軸手ブレ補正は、フルサイズの超高画素機にも関わらず、安定してよく効いている印象です。
わずかなブレでも目立ちやすい高画素機には、なくてはならない必須機能ですね。

また、シャッター半押し中も反映されるので、望遠撮影ではシャッター半押しでファインダー像がピタッと止まるので、とても快適です。

AF性能

79点専用位相差AFと399点像面位相差AFのハイブリッドで、私は動体ではまだあまり使っていませんが、通常の撮影では速度、精度とも不満はありません。

また、ソニー製以外のレンズでは、ハイブリッドではなく専用位相差AFのみとなりますが、77IIよりもAF性能が向上しており、歩留まりは良くなりました。

瞳AFという機能は、人物を撮るときは大変便利ですね(AF-Cも可)。
問題は、どのボタンに割り当てるか、ということで、今のところ私はレンズのフォーカスホールドボタンに当てていますが、50mm/1.4のようにそのボタンがないレンズもあるので、まだ悩み中です。
ネットの情報でAELに当てている方がいたので、私も試してみようと思います。

【追記】瞳AFについて
瞳AFはAELボタンに割り当てて使うことにしました。
瞳AFは、設定中のAFエリアに関わらず、機能してくれます。
例えば、AFエリアが中央固定の時でも、瞳AF設定のボタンを押せば、AFエリアをフルに使って瞳に合わせてくれます。
瞳にAFを合わせるのに通常のAFよりも少し時間がかかりますが、一度合わせるとフォーカスモードがAF-AのときでもAF-Cで追従してくれます。
子供を撮るときにも大変便利な機能で、精度も良くて感心しました。

画質

4240万画素の解像感は、これまでの2430万画素機とは別次元の世界。
高感度では、それなりにノイズは出ますが、素直な出方なので、RAW現像の際の処理も自然に仕上げやすい感じです。

超高画素でありながら、高感度にも強く、クラス最高の画質でしょう。

また、APS-Cモードにクロップしても1800万画素あるので、APS-C機も兼ね備えたカメラとも言えます。
EVFなので、ファインダーはAPS-C画面に切り替わり、APS-C用レンズを使いたいときや、より望遠(またはマクロ)で切り取りたいとき、本当に便利ですね。

操作性

前後ダイヤルは、回りやすくて、意図せず回って設定が変わっていることがよくあります(特に触りやすい後ダイヤル)。
77IIではこのようなことはなく、ちょうどよい固さだったのですが・・・。
操作性を良くするためのことと思いますが、個人的には77IIの固さが好みです。

また、十字操作のマルチセレクターの操作感がこれまでとずいぶん変わりました。
親指内側をボタンにのせたまま押し込むように倒す感じで、従来のようにただ倒すだけでは動きません。
これを知らずに動かない!と勘違いされる方もいるようで、私自身も初めて触ったとき(時刻の設定)、下方向が効かず不良品か!と焦ったのを覚えています。

実は、慣れるとこのマルチセレクターの感触の方が動かしやすく、いいですね。
(まだたまに誤作動させてしまいますが。私の場合、中央を押して「決定」にしたつもりが、上または下に選択されることがしばしば・・・。)
AFポイントの選択や画像拡大時は、上下左右だけでなく、斜め方向も移動が可能です。

ただし、問題もあります。それは、縦位置グリップ「VG-C77AM」です。
この縦位置グリップは、2世代前のα77用につくられたもの。
だからマルチセレクターの動かし方は、従来方式です。
せっかく99IIの新しい方式に指が慣れても、縦位置グリップの方で動かそうとすると動かせずに指の感覚が戸惑い、イラッとするのです。
ボタンの形状もすべて平たく、ボディ本体の99IIと異なっています。
この縦位置グリップは私は77IIで使っていたため、そのまま99IIでも使えるのは嬉しい反面、やはり99II専用のものが欲しいですね。
おそらく開発費がそこまでなかったものと思われますが、フラッグシップを謳うなら専用のものも出して、ユーザーが選択できるようにして欲しかったと思います。

その他

書き込み速度が77IIよりも確実に速くなっていますね。
99IIは、4240万画素の超高画素機ではありますが、通常の撮影では書き込みで待たされるようなストレスはありません。

ピクチャーエフェクトは、77IIの13種類から8種類に少なくなっています。
ソフトフォーカスや絵画調HDR、ミニチュアなど、結構気に入っていたものがなくなり、残念です。
Eマウント機のようにアプリダウンロードでぜひ対応してもらいたいところです。

ファンクションメニュー

ファンクションメニューとは、Fnボタン一発で12種類の設定項目を呼び出し、その画面から設定変更できるメニューです。

現在のところ、私は下のように設定しています。

99IIファンクションメニュー設定

99IIファンクションメニュー設定

実際のメニュー画面は、こんな感じです↓

99IIファンクションメニュー設定

よく使う「画質」は上段1(左上)。
私の場合、普段撮りは「FINE」で、高感度や作品撮りのときは「RAW+JPEG」によく切り替えています。

また、その下の下段1は「APS-C/Super 35mm」で、フルサイズ用レンズをつけているときでも、鳥などより望遠で撮りたいときや、小さな生き物をよりマクロで撮りたいとき、SIGMA 20mm/1.8をポートレイト用に35mm/1.8で使いたいときなどに、APS-Cモードに切り替えています。

その他、クリエイティブスタイルやピクチャーエフェクト、ピーキングレベルなど、よく変更する設定のものを並べています。

またこれから使い込んでいくうちに変更していく感じですね。

まとめ

総評としては、性能、操作性とも洗練されたAマウント機集大成とも言えるカメラではないでしょうか。

ミノルタ(コニカミノルタ)からカメラ事業を継いで10年。
カメラとしての基本性能はもちろん、グリップ感、前後ダイヤル、モードダイヤル、ボタン配置など、徹底的に操作性にこだわり、実戦を重んじるミノルタの思想とソニー映像技術の一つの結晶として、Aマウント機の存在価値を再認識させてくれる名機と思います。

Aマウントレンズの資産がある方は、買って後悔のないカメラでしょう。
また、スペックと価格を考えれば、新規マウントとしての購入も十分検討の価値ありですね!

私のように古いミノルタレンズ(特にGレンズ)をお持ちの方は、蘇ったかのようにレンズを活かすことができると思います。
中古で程度の良いミノルタ銘レンズを手に入れて楽しむのも良いかもしれませんね。
α99IIと135mmSTFで至高のボケ味を堪能する、なんてたまりませんよ~。
(リサイズのみのJPEG撮って出し↓)

名護カンヒザクラ

カンヒザクラ(名護城公園)
SONY α99II, MINOLTA STF 135mm F2.8 [T4.5]
(T4.5, 1/100, ISO400)

もう機材のせいにはできないですね。
あとは腕だけです。

おすすめ記事一覧
【目次】カメラおすすめ記事

「α99IIを思う存分使いこなせ!」シリーズは、とりあえずここまで。
気になる記事がありましたら、ぜひバックナンバーもご覧ください。

α99IIを思う存分使いこなせ!(その1:開封~準備編)+一眼カメラ買ったら始めにすべきこと

α99IIを思う存分使いこなせ!(その2:外観編)

α99IIを思う存分使いこなせ!(その3:撮影設定1編)

α99IIを思う存分使いこなせ!(その4:撮影設定2編)

α99IIを思う存分使いこなせ!(その5:その他設定編)

α99IIを思う存分使いこなせ!(その6:77IIと画質対決編)

α99IIを思う存分使いこなせ!(その7:注目機能AF編)

α99IIを思う存分使いこなせ!(その8:注目機能手ブレ補正編)

α99IIを思う存分使いこなせ!(その9:注目機能画質編)

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